2025年12月4日に実施したインタビューを元に執筆しています。
「泌尿器科って、なんだか恥ずかしくて行きづらい……」
「子どものおねしょ、いつまで様子を見ていいのか分からない」
「結婚を控えているけれど、性感染症や不妊の検査はどこで受ければいいの?」
デリケートな悩みを抱えながらも、誰に相談していいか分からず、受診をためらっている方は多いのではないでしょうか。
今回取材したのは、東京・巣鴨駅から徒歩1分、2025年5月に開院した「巣鴨駅前たかはし泌尿器科」の院長、髙橋 遼平(たかはし りょうへい)先生です。
髙橋院長は、大学病院や小児医療センターで高度な手術や移植医療に従事してきた泌尿器科専門医でありながら、「生まれ育った地域に恩返しがしたい」という熱い想いを胸に、ここ巣鴨の地に戻ってきました。
医師を志したきっかけから、小児泌尿器科への想い、近年需要が高まるブライダルチェックの重要性など、たっぷりとお話を伺いました。
地域に育てられたからこそ、巣鴨で|髙橋 遼平 院長が「何でも相談できる」泌尿器科医を目指した理由
高度医療機関で研鑽を積んできた髙橋院長が、なぜ開業の地として「巣鴨」を選んだのでしょうか。
そこには、地元への深い愛着と、医師としての原点回帰の想いがありました。まずは、開業に至るまでの経緯と、医師としてのルーツについて伺います。
ーーまずは、この巣鴨の地で開業された経緯から教えていただけますか? 先生は地元のご出身だそうですね。
髙橋院長
厳密に言うと巣鴨駅のすぐ近くというわけではないのですが、私は文京区で育ちました。千駄木小学校に通い、高校卒業まで地元のボーイスカウト活動に参加するなど、まさにこの巣鴨・駒込・小石川といったエリアの方々に育てていただいたという想いが強くあります。大学病院や総合病院で長く勤務医をしていましたが、医師としてのキャリアを重ねる中で、「いつかは生まれ育ったこの地域に恩返しがしたい」という気持ちがずっとありました。
また、働き方という面でも変化がありました。私には妻と二人の子どもがいますが、妻も同級生の臨床医として第一線で働いています。子育てと仕事を夫婦で両立していく中で、勤務医としての激務だけでなく、もう少し腰を据えて地域医療に関わりたい、家族との時間も大切にしたいと考えるようになりました。
そんな時、たまたまご縁があってこの巣鴨駅前の物件に出会いました。この辺りは、大学病院などの大きな病院には泌尿器科がありますが、いわゆる「街の泌尿器科クリニック」は意外と少ないんです。「ここなら、地域の皆さんの役に立てるかもしれない」。そう直感し、いろいろなタイミングが重なって、2025年5月に開業を決意しました。

ーーお父様も産婦人科の医師だったとお聞きしました。やはりお父様の背中を見て、医師を志されたのでしょうか?
髙橋院長
そうですね、父の影響は非常に大きいです。父は産婦人科医で、家にいる暇もないほど忙しく働いていました。幼いながらに「父は大変そうだな」と思う一方で、「患者さんに感謝される、素晴らしい仕事をしているんだ」という誇りのようなものも感じていました。
また、私の祖父も実は浅草で産婦人科の開業医をしていたんです。医師の家系ということもあり、自然と「自分もいつか医師になり、困っている人を助けたい」という目標を持つようになりました。
ーー数ある診療科の中で、なぜ「泌尿器科」を専門に選ばれたのですか?
髙橋院長
研修医時代に各科をローテーションで回った際、泌尿器科の「奥深さ」と「幅広さ」に魅力を感じたのが一番の理由です。
例えば、内科で診断をして、手術が必要なら外科へ送る……といった分業も多い中で、泌尿器科は「診断から治療(薬物療法・手術)、そしてその後のフォローまで」を一貫して自分で診ることができます。一人の患者さんの人生に、責任を持って長く寄り添える点に惹かれました。
また、扱う疾患のレパートリーも非常に広いです。膀胱炎などの感染症から、尿路結石などの良性疾患、そして腎癌や前立腺癌といった悪性腫瘍まで対応します。
さらに患者さんの層も、女性も男性も、生まれたばかりの赤ちゃんから、働き盛りの方、そしておじいちゃんおばあちゃんまで、全世代が対象です。「さっきまで小さな子どもを診ていたと思ったら、次はご高齢の方がいらっしゃる」といったように、毎日さまざまな患者さんと向き合えるのが、泌尿器科医としての醍醐味であり、やりがいだと感じています。自分の持てる「医療のカード」をたくさん増やせる、医師として成長できる分野だと思いました。

「小児泌尿器科」の診療|髙橋 遼平 院長の専門性
髙橋院長の強みの一つが、一般のクリニックでは扱っていることが少ない「小児泌尿器科」の分野です。
小児医療センターでの勤務経験後、慶應義塾大学でも小児泌尿器疾患や腎不全治療の経験を持つ院長に、お子様特有の悩みについて伺いました。
ーー先生は以前、小児医療センターで勤務されていたそうですね。そこでの経験は、今の診療にどのように活かされていますか?
髙橋院長
はい、1年間という期間でしたが、小児医療センターで子どもの腎臓移植や先天性の泌尿器疾患の手術などに携わりました。私の医師人生の中でも充実し、印象に残っている期間の一つです。
子どもの治療というのは、ご本人が元気になることはもちろんですが、それをご両親やお祖父ちゃんお祖母ちゃんが見て、家族全員が笑顔になるんです。腎移植に関わったお子さんからお手紙をもらったり、退院していく時の晴れやかな笑顔を見たりしたときは、本当に「医者冥利に尽きる」と感じました。
一般的な泌尿器科クリニックでは、お子様の診療に対応していないところや、詳しく診られないところも少なくありません。しかし、当院では私のこれまでの経験を活かし、自信を持って小児泌尿器科の診療を提供しています。「子どもの泌尿器を診られる専門家」として、地域の親御さんの頼れる存在になりたいと思っています。
ーー具体的にお子様の受診で多い悩みには、どのようなものがありますか?
髙橋院長
やはり多いのは、男の子の「おちんちんの皮(包茎)」に関するご相談や、「夜尿症(おねしょ)」のご相談ですね。包茎に関しては、「剥けていないのが心配」や、実際に赤みや痛み、膿が出るといったトラブルで来院されることが多いです。適切な処置やケアの方法をお伝えすることで改善します。「手術が必要なのかどうか」といった判断も専門医として的確に行いますので、迷ったらまずは見せに来ていただきたいですね。
ーー「おねしょ(夜尿症)」について、「そのうち治るだろう」と様子を見ている親御さんも多いと思います。受診のタイミングの目安はありますか?
髙橋院長
おねしょは、基本的には体の成長・発達とともに自然に治まることが多いものです。しかし、「医療機関で介入(治療)した方が、早く良くなる」というデータがあります。小学校に入っても月に1回以上おねしょをしてしまう、修学旅行や林間学校などのお泊まり行事が近づいているのに治らない……といった場合は、ぜひ早めにご相談ください。
治療といっても、いきなり強い薬を使うわけではありません。まずは生活習慣の見直しや、水分の摂り方の指導といったカウンセリングから始めます。それだけでも改善するケースは多いですし、必要に応じてお薬やアラーム療法など、ご自宅で出来る治療を提案することもあります。大切なことは本人が治したいという意志があるかどうかです。
「お泊まりまでに何とかしたい」という目標があるなら、早めの受診をおすすめします。「こんなことで病院に行っていいのかな?」と思わず、ご家庭だけで悩まずに専門家を頼ってください。お母さんお父さんの不安を取り除くことも、私の大切な仕事です。

巣鴨駅前たかはし泌尿器科の「ブライダルチェック」と男性不妊へのアプローチ
近年、結婚や妊活を機に、性感染症や生殖機能の検査を受ける「ブライダルチェック」への関心が高まっています。
髙橋院長は、特に「男性側の検査」の重要性を強く訴えています。
ーー最近は「ブライダルチェック」を受けたいと考える方が増えているそうですね。
髙橋院長
そうですね。当院はいわゆる都心の一等地のクリニックではありませんが、豊島区、板橋区、文京区、北区、荒川区といった住宅街エリアから、多くの20代・30代のカップルやご夫婦がいらっしゃいます。時には「検査当日結果が分かる」という点を見て、埼玉県などの遠方から来られる方もいますよ。
ブライダルチェックとは、結婚前や妊娠を考える段階で受ける健康診断のことですが、最近は「パートナーへのマナー」として、男性も女性も一緒に受けられるケースが増えています。性感染症(STI/STD)は、自覚症状がなくても進行していることがあり、放置すると不妊症の原因になることがあります。例えばクラミジアや淋菌は、女性なら卵管の癒着、男性なら精子の通り道の閉塞を引き起こすリスクがあります。
将来、「子どもが欲しい」と思った時に後悔しないためにも、今の自分の体の状態を早くから知っておくことは非常に重要です。
ーー貴院のブライダルチェックにはどのような特徴がありますか?
髙橋院長
当院で提供しているブライダルチェックの特徴は、大きく分けて3つあります。
泌尿器科専門医による一貫した診療
検査だけでなく、万が一陽性だった場合の治療、そしてアフターフォローまで、専門医である私が責任を持って担当します。
精液検査の結果が当日に分かる
院内に専用の検査機器を導入しているため、検体を提出していただいたその日のうちに結果をご説明できます。これはお仕事でお忙しい男性の方には大変喜ばれています。
分かりやすい料金プラン
患者様のニーズに合わせて、選びやすいプランをご用意しています。
ーー男性不妊についても、やはり早めの検査が大切なのでしょうか?
髙橋院長
その通りです。実は開業して半年ほど診療していて驚いたのが、「男性不妊」が見つかる方の多さです。不妊の原因の約半数は男性側にあると言われていますが、ご自身では全く自覚がない方がほとんどです。
今は晩婚化が進んでおり、子どもを作ろうと思った時には男女ともに年齢を重ねていることが多いです。女性だけでなく、男性にも「生殖能力のタイムリミット」や「加齢による精子の質の低下」は存在します。もし精液の状態が思わしくなくても、早期に発見できれば、生活習慣の改善やサプリメント、あるいは高度な不妊治療への紹介など、打てる対策はたくさんあります。
「結婚して子どもができなかったらどうしよう」と不安に思う前に、一度検査を受けてみてください。何もなければ安心できますし、何かあっても早期に対処できます。そのため、男性こそ積極的に受診していただきたいですね。

髙橋 遼平 院長から伝えたいこと|前立腺がん検診や頻尿トラブルも、早期発見が鍵
お子様やこれから結婚を迎える世代だけでなく、働き盛りからご高齢の方まで、幅広い年代の健康を支えることも重要な使命であると髙橋院長は語ります。
特に中高年以降は、男女ともに排尿に関する悩みが増える時期でもあるそうです。
ーー中高年の患者様からは、どのようなご相談が多いのでしょうか?
髙橋院長
男性では「前立腺」に関わるトラブル、女性では「過活動膀胱」や「尿漏れ」といったご相談が多いですね。中でも特に強調してお伝えしたいのが、男性の「前立腺がん」についてです。
実は今、前立腺がんは日本人男性で一番罹患率が高いがんになっています。恐ろしいのは、初期段階では自覚症状がほとんどないことです。進行してから「尿が出にくい」「血尿が出る」といった症状で気づくこともありますが、早期発見のためには検査が不可欠です。当院では、50歳を過ぎたら、特に目立った自覚症状がなくても「PSA検査」を受けていただくことを推奨しています。これは採血だけで済む簡単な検査です。自治体から検診のお知らせが来ても、「自分は元気だから関係ない」とスルーしてしまう方がいらっしゃいますが、非常に勿体ないことです。
「50歳を超えたら一度は泌尿器科へ」。これを合言葉に、ご自身の体を守っていただきたいですね。
ーー女性特有のお悩みについても教えてください。
髙橋院長
女性の場合は、加齢や出産を機に「トイレが近くてバス旅行に行けない」「急な尿意を我慢できない」といった過活動膀胱の症状や、ふとした瞬間の尿漏れに悩まれる方が増えてきます。
これらを「もう歳だから仕方ない」と諦めてしまっている方が非常に多いのですが、実は適切な診断とお薬、そして生活習慣の改善によって、症状が劇的に良くなるケースは少なくありません。(※効果には個人差があります)「旅行に行けるようになった」「夜ぐっすり眠れるようになって夜になるのが楽しみになった」と喜んでいただけると、私も本当に嬉しい気持ちになります。生活の質(QOL)を維持するためにも、我慢せずに相談してほしいと思います。
ーーまさに「家族全員」の健康を守るクリニックですね。
髙橋院長
そうですね。「おじいちゃんの頻尿の相談をしにきたついでに、お孫さんのおねしょの相談もしてみようかな」といった形で、ご家族ぐるみで頼っていただけるのが理想です。泌尿器科は、赤ちゃんからお年寄りまで、人の一生に寄り添える診療科です。どのライフステージにいる方でも、その時々の悩みに応じた最適な医療を提供できるよう、引き出しを多く持ってお待ちしています。
巣鴨駅前たかはし泌尿器科の診療スタイル|徹底したプライバシー配慮と、「誠実さ」を貫く
泌尿器科というデリケートな診療科だからこそ、患者さんが安心して過ごせる環境づくりに力を入れています。
院長の掲げる「誠実な診療」に迫ります。
ーー泌尿器科は「受診のハードルが高い」と感じる方も多いです。院内での工夫について教えてください。
髙橋院長
おっしゃる通り、泌尿器の悩みは恥ずかしいものです。ですので、当院では患者さんの「心理的な負担」を減らすことを最優先に考えています。まず、予約システムとWeb問診に力を入れています。事前にスマホで問診を入力していただくことで、来院してから受付で「今日はどうされましたか?」「実は性病の心配が……」といった会話を大きな声でする必要がありません。
また、診察室やお会計への呼び出しもお名前ではなく「番号」でお呼びするように徹底しています。さらに、院内には「女性専用の待合室」を設けました。泌尿器科はどうしても男性の患者さんが多いイメージがありますので、女性の患者さんが異性の視線を気にせず、リラックスしてお待ちいただける空間を作りました。
内装も、以前の内視鏡クリニックの落ち着いた木目調を活かしつつ、清潔感にはとことんこだわっています。特にトイレは泌尿器科の「顔」ですので、スタッフがこまめに清掃を行い、常に綺麗な状態を保っています。
ーー診療において、先生が最も大切にされていることは何ですか?
髙橋院長
「誠実であること」、そして「丁寧な説明」です。私は長年ボーイスカウトをやっていたのですが、そのおきての最初に「スカウトは誠実である」という言葉があります。これは医師としても同じで、患者さんに対して嘘をつかず、真摯に向き合うことが信頼関係の第一歩だと考えています。
また、泌尿器科医は外科気質でサバサバした医師が多いと言われることもありますが(笑)、私は患者さんを「不完全燃焼」のまま帰したくないんです。「結局、私の病気は何だったの?」「この薬で本当に治るの?」といった疑問を抱えたままでは、治療への意欲も湧きませんよね。
ですから、私は診察の最後に「何か質問はないですか?」「言い足りないことはないですか?」と聞くようにしています。特に男の子の患者さんをお母さんが連れてくる場合、異性であるお母さんには症状が想像しにくいこともあります。そういった場合も、図を使ったり例え話をしたりして、保護者の方にも納得していただけるよう丁寧に説明しています。
患者さんが「こんなこと聞いていいのかな」と迷うような些細なことでも、「髙橋先生なら聞いてくれそう」と思っていただけるような、親しみやすい雰囲気作りは心がけています。

髙橋 遼平 院長からメッセージ|巣鴨の「家族全員のかかりつけ医」として
髙橋院長から、泌尿器に関して悩みを抱えている方や地域の方々に向けてメッセージをいただきました。
ーー最後に、今後の展望と、記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
髙橋院長
将来的には、かつて祖父がそうであったように、「地域で困ったことがあったら、とりあえず髙橋先生に聞けばいいよね」と言われるような存在になりたいですね。当院のコンセプトは「家族全員で通えるクリニック」です。ロゴマークにも親子の鴨を描きました。
おじいちゃんの頻尿や前立腺の悩み、お父さんの尿管結石や過去の感染症の不安、お母さんの膀胱炎や頻尿、そしてお子さんのおねしょや包茎まで。老若男女問わず、泌尿器に関わることであれば何でも幅広く診察できるのが私の強みです。「おしっこの勢いが悪い」「夜トイレに起きる回数が増えた」「健康診断で尿に異常があると言われた」……。
どんな小さなお悩みでも構いません。当院は巣鴨駅前のビルの8階にあり、人目につきにくく入りやすい環境です。平日は18時30分まで、土曜日も診療しています。一人で抱え込まず、ぜひ一度、私たちに相談しに来てください。スタッフ一同、温かくお迎えいたします。

巣鴨駅前たかはし泌尿器科
| 診療科目 | 泌尿器科・小児泌尿器科 |
|---|---|
| 住所 | 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1-18-10 三喜ビル 8F |
| 診療日 | (月・火・水・木・金) 9:30〜13:00 (月・火・水・木・金) 15:00〜18:30 (土) 9:30〜13:30 ※最終受付時間は15分前まで |
| 休診日 | 火曜・日曜・祝日 |
| 院長 | 髙橋 遼平 |
| TEL | 050-3641-0832 |
| 最寄駅 | JR「巣鴨駅」南口より徒歩1分 都営三田線「巣鴨駅」A2出口より徒歩1分 |

