ReM CLINIC Ginza|岩田 敏 院長|「再生医療」の可能性|幹細胞治療と免疫細胞療法でアプローチ

2025年11月12日に実施したインタビューを元に執筆しています。

「人生100年時代」という言葉が現実味を帯びる現代。私たちは、ただ長く生きるだけでなく、「いかに健康で、豊かに生きるか」という課題に直面しています。

そんな医療が「治療」から「予防」へと大きくシフトする中、2024年2月、銀座の中心地に「ReM CLINIC Ginza」が誕生しました。ミュージアムさながらの落ち着いた空間で提供されるのは、再生医療。

同院の院長を務めるのは、岩田 敏(いわた さとし)先生です。慶應義塾大学医学部で教授を務め、国立がん研究センター中央病院でも感染症部長を歴任するなど、長年にわたり小児科・感染症分野の最前線で活躍されてきました。

なぜ、岩田院長は「再生医療」という新たな分野に取り組むのでしょうか。そこには、これまでのキャリアで培われた確かな診療哲学と、未来の医療に対する熱い想いがありました。

目次

小児科・感染症から「再生医療」へ|岩田 敏院長の信念

長きにわたり、大学病院やがん研究センターという医療の中枢で活躍されてきた岩田院長。

その輝かしい経歴は、一見すると「再生医療」とは異なる分野のようにも思えます。

岩田先生のこれまでの経歴と、新たな挑戦への想いを伺いました。

ーー先生は小児科や感染症の分野で長くキャリアを積まれてきました。ご経歴を教えていただけますか?

岩田院長
 はい。私は大学卒業後、すぐに小児科の道に進みました。大学病院や関連病院で研修を積み、最終的には国立病院機構東京医療センターで統括診療部長も務めました。その後、母校である慶應義塾大学で「感染制御センター」を立ち上げるという話があり、小児科から感染症部門へ移りました。さらに熱帯医学や寄生虫学を担当していた「熱帯医学・寄生虫学教室」が母体となってできた「感染症学教室」に移り、そこで定年まで働きました。小児科を離れ、子どもから大人まで、すべての年代の感染症を診るようになったのです。
 大学退官後は、国立がん研究センター中央病院で「感染症部長」として70歳過ぎまで勤務しました。臨床のベースは小児科ですが、キャリアの多くを感染症の分野で歩んできた形ですね。

ーー小児科・感染症を専門とされている岩田先生が、「再生医療」の世界へ進まれたのは、どのような経緯があったのでしょうか?

岩田院長
 もともと臨床の人間ですから、新しい領域で「こういう治療をすると、こういう結果が得られる」ということを見聞きし、実践していくことに大きなやりがいを感じます。再生医療はまさに日進月歩の新しい分野。この分野の治療法や施術が結果として目に見えてくることに、新しい発見とモチベーションを感じています。
 もちろん、この道を選んだのには大きな理由があります。それは、当院が使用する製剤の「品質」と「安全性」を担保する提携ラボの技術力に、深い信頼を置くことができたことです。これについては後ほど詳しくお話ししますが、長年エビデンス(科学的根拠)を重視する世界に身を置いてきたからこそ、その基盤がしっかりしていなければ、患者さんに医療として提供することはできません。その点がクリアできたのが、私にとって一番大きな決め手でした。

ーー診療において、昔から大切にされている「勘」と「エビデンス」とは、どのようなものでしょうか?

岩田院長
 私はもともと臨床家です。患者さんに対して分かりやすく説明をし、納得していただいた上で医療を提供することを、昔からずっと心がけています。
 特にキャリアの長かった小児科では、患者さん本人だけでなく親御さんとのコミュニケーションが何より重要です。また必ずしも十分な診察ができない小さなお子さんを前に、「これは危ない」「これは大丈夫」といった臨床家としての「勘」のようなものも大事にしてきました。
 ただ、もちろんそれだけではいけません。その「勘」を裏付ける「エビデンス(科学的根拠)」がなければ、患者さんやご家族に十分な説明はできません。エビデンスに基づいて診療を提供していくこと。それは感染症の部門に移っても、がん研究センターでも、そして現在の再生医療の分野でも、全く変わらない私の信念です。

ーー新しい分野である再生医療において、特に心がけていることはありますか?

岩田院長
 再生医療は非常に新しい分野であり、すべての治療法に十分なエビデンスが確立されているわけではない、という側面も確かにあります。
 だからこそ、先ほどの話と通じますが、なるべく詳しく、分かりやすい説明をさせていただくことが重要だと考えています。「こういう理論で、こういう効果が期待されています」「動物実験や小規模な臨床研究では、このようなデータが出ています」「一方で、まだ分かっていない部分もあります」といったことを包み隠さずお話しします。
 その上で、患者さんに安心して、安全に治療を受けていただける環境を整えること。それが私の務めだと思っています。

ReM CLINIC Ginzaが提供する「人生100年時代」のヘルスケア

銀座駅から徒歩1分。文字通り銀座の中心部に位置する「ReM CLINIC Ginza」。

一歩足を踏み入れると、そこは病院というよりミュージアムさながらの、落ち着いた空間が広がっています。

ーーReM CLINIC Ginzaはどのようなクリニックなのでしょうか?

岩田院長
 当院は、「バイオ医療テクノロジー」と、「ホスピタリティ」を融合させ、皆様の健康を全力でサポートするクリニックです。「人生100年時代」を胸に掲げ、従来の医療の在り方にとらわれないソリューションをご提供します。目指すのは、病気の治療だけでなく、その手前の「予防」、そして「エイジングマネジメント」です。エビデンスに基づいた治療を厳選し、一人ひとりのお悩みにあわせた再生医療をご提供しています。

ーーどのような方が多く来院されていますか?

岩田院長
 当院は、保険診療ではなく、いわゆる「自費診療」のクリニックになります。そのため、一般的な診療と比べると、どうしてもコストはかかってしまいます。ですから、受診される方はご自身の健康維持に高い関心をお持ちで、ある程度のコストをかけてでも病気の予防や治療を行っていきたいという方が多くなります。米国、カナダ、中国、東南アジアなど、海外の方が多いのも特徴です。
 日本では保険医療が確立されているので、病気になっても比較的安価に良質の治療が受けられます。そのため、「健康や予防医療に高いお金を払う」ということに対する感覚が、海外の方と日本の方では少し違うのかもしれません。いずれにいたしましても、病気の予防や治療に対して、「今よりもっと健康に」「老いを予防したい」といったプラスアルファの価値を求めて、いらっしゃっている方が多い印象です。

ーー先生からご覧になって、クリニックの「柱」となる治療は何ですか?

岩田院長
 はい。当院には大きく3つの柱があります。
 1つ目は、「幹細胞由来Exosome」を用いた治療です。これは、組織の修復を図り、疾患の改善や、美容・臓器のアンチエイジングを目指すものです。
 2つ目は、「免疫細胞療法」です。ご自身の免疫力を高めることで、がんになった方の治療をサポートしたり、がんの治療を終えた方や健康な方の「がん予防」に取り組んでおります。
 3つ目は、「診断系(各種血液検査)」です。採血によって、超早期のがんのリスクや、認知症、心筋梗塞といった重大な病気のリスクを評価します。
 これら3つを組み合わせて、受診された方の状態やご希望に最適なソリューションをご提案しています。

第一の柱:組織を修復し”アンチエイジング”を促す「幹細胞由来Exosome」

クリニックの第一の柱として挙げられた「幹細胞由来Exosome」。

美容感度の高い方を中心に注目を集める成分です。岩田先生に詳しく伺いました。

ーー「幹細胞由来Exosome」とは、具体的にどのようなものでしょうか?

岩田院長
 Exosomeというのは、私たち人間の体の中にある、ほぼ全ての細胞から分泌されている「カプセル状の極小の物質」です。そのカプセルの中には、さまざまな遺伝情報(メッセンジャーRNAやマイクロRNAなど)が含まれており、細胞から細胞へと情報を受け渡す、いわば「細胞間のメッセンジャー」のような役割を果たしています。
 このExosomeは、分泌元の細胞の「性質」を色濃く受け継ぎます。例えば、がん細胞から出たExosomeは、がんの増殖や転移を促すような悪い情報を伝えてしまいます。
 一方で、再生医療の分野で注目されているのが、「幹細胞(かんさいぼう)」から分泌される幹細胞由来Exosomeです。幹細胞とは、さまざまな細胞の“元”となる能力(分化能)と、自分自身を複製する能力(自己複製能)を持つ、非常にパワフルな細胞です。

ーー幹細胞にも種類があるのですね。

岩田院長
 はい。幹細胞は大きく、iPS細胞やES細胞に代表される「多能性幹細胞」と、私たちの体内に元々存在する「組織幹細胞」に分けられます。
 iPS細胞などは素晴らしい技術ですが、遺伝子操作によるがん化のリスクや、他人由来の場合の拒絶反応、コストや準備期間といった課題もまだ残されています。
 私たちが治療に用いるのは、後者の「組織幹細胞」の一つである「間葉系幹細胞(MSC:Mesenchymal Stem Cell)」です。MSCは、骨髄や脂肪、そして臍帯(へその緒)などに存在し、元々が体の中にある細胞のため腫瘍化のリスクが低く、他人由来でも拒絶反応が起こりにくいといった、非常に優れた特徴を持っています。
 この間葉系幹細胞(MSC)から分泌される幹細胞由来Exosomeには、抗炎症作用、免疫調整機能、組織修復、血管新生など、体を修復し、健やかに保つための重要な情報が詰まっているとされています。

ーーReM CLINIC Ginzaでは、「ウォートンゼリー由来」の成分にこだわっているとか。

岩田院長
 間葉系幹細胞(MSC)は脂肪や骨髄などからも採取できますが、当院では特に、「臍帯(さいたい=へその緒)」の中にある「ウォートンゼリー(Wharton’s Jelly)」という組織に由来するMSCから抽出したエクソソームを主に用いています。
 ウォートンゼリーとは、臍帯の中で一番赤ちゃんに近い(胎児側)ゼリー状の物質です。ここには、成長因子に富んだ非常に若く、パワフルな細胞(MSC)が大量に含まれています。
 このウォートンゼリー由来のMSCから産出されるExosomeは、他の組織由来のものと比べても、サイトカイン(細胞間の情報伝達物質)やExosomeの数が特に豊富で、分化能力・再生能力が非常に高いとされています。また、免疫原性(拒絶反応を引き起こす性質)が低いことから、現在、再生医療の分野で注目されているソースの一つです。
 当院では、これを「EXOプレミアム幹細胞エキス™」として、厳格な品質管理のもとで使用しています。また、目的に応じて、異なる種類の間葉系幹細胞由来のExosomeを組み合わせて治療する場合もございます。

ーー幹細胞由来Exosomeには、どのような作用があるのでしょうか?

岩田院長
 幹細胞由来Exosomeは、その情報伝達機能を通じて、全身の細胞のコミュニケーションを介した代謝促進、抗炎症作用、免疫調整、神経・組織修復、血管新生など、多岐にわたる働きをします。さまざまな疾患の治療・予防、そしてアンチエイジングにつながるとされています。国内外の研究では、以下のような疾患への効果が示唆されています。

エイジングケア関連
 皮膚の老化(しわ・たるみ)、乾燥、アトピー性皮膚炎、脱毛症(AGA)、更年期障害、勃起障害(ED)など

生活習慣病・内科疾患
 糖尿病、肝臓病(肝炎、肝硬変)、動脈硬化、COPD、肺線維症、新型コロナウイルス後遺症など

脳・神経疾患
 アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、脳卒中後遺症、脊髄損傷など

整形外科・自己免疫疾患
 変形性関節症、関節リウマチ、慢性疼痛、全身性エリテマトーデスなど

 上記のような効果が期待できますが、当院では、これらのお悩みに対し、一人ひとりにあわせたオーダーメイドの治療をご提供しています。

ーー投与方法にはどのような種類がありますか?

岩田院長
 受診された方のお悩みにあわせ、最適な投与方法をご提案しています。具体的には以下の通りです。

  1. 点滴療法(静脈からの全身投与)
    静脈点滴で全身に幹細胞由来Exosomeを届けることで、血管の修復、細胞修復の促進、生活習慣病の予防、内面からのアンチエイジングなどを目指します。
  2. 点鼻療法(鼻腔内から脳への投与)
    鼻腔内にエキスを噴霧します。幹細胞由来Exosomeは鼻の奥にある嗅神経を通じて、血液脳関門(BBB)を通過し、脳内に送達される可能性が示唆されています。アルツハイマー型認知症やその他脳疾患の予防・改善を目指します。
  3. ネブライザー療法(呼吸器への投与)
    超音波霧化器(ネブライザー)で霧状にし、呼吸器から吸入します。COVID-19後遺症や肺線維化の改善、呼吸機能の修復が期待されます。
  4. 毛髪再生治療・皮膚細胞再生治療
    水光注射やダーマペンといった専用の機器を使い、頭皮や肌に直接注入します。毛母細胞や線維芽細胞に働きかけ、発毛の促進や美肌・アンチエイジングを目指します。

ーー局所投与と点滴では、効果の出方が異なるのでしょうか?

岩田院長
 そうですね。分かりやすいのは、やはり局所投与かもしれません。例えば、髪の毛が薄い、肌のハリが欲しいという方に、頭皮や皮膚に水光注射などで直接投与すると、「髪にコシが出てきた」「肌のツヤが良くなった」といった変化を感じやすいかと思います。
 一方で、点滴の場合は全身に回ります。もちろん、点滴でも髪の毛が濃くなったり、白髪が減ったり、内面から肌のツヤが良くなるといったアンチエイジング効果があると考えられています。私はそれ以上に、点滴の重要な役割は、血管や臓器といった「内面」の組織修復にあると考えています。例えば、動脈硬化の進行を抑える、傷んだ血管を修復するといったことですね。

ーー元気な人が受けても良いのでしょうか?

岩田院長
  症状がある方は「良くなった」と判断しやすいですが、元気な方でも「予防」や「より高いレベルでの健康維持」という側面でご満足いただけるかと思います。

ーー肌だけでなく、内臓なども若返るのでしょうか?

岩田院長
 肌年齢を測定する機械で、幹細胞由来Exosomeの施術を続けている方の肌年齢が若返るというデータは実際にありますし、点滴でも同様かと思います。
 先ほど申し上げたように、点滴は「血管が若返る」という点が大きい。血管が若返るということは、血流が良くなり、全身の臓器に栄養や酸素がしっかり届くようになるということです。つまり、臓器の老化もある程度抑えられることが期待できます。
 実際に、肝臓の機能が悪い方(AST, ALT, γ-GTPといった数値)が、幹細胞由来Exosome点滴で改善したというデータもあります。

※幹細胞由来Exosomeによる施術は自由診療です。期待される作用については研究段階の報告もあり、個人差があります。

ーー幹細胞由来Exosome治療を受ける上で、注意点はありますか?

岩田院長
 一つ、非常に重要な注意点があります。幹細胞由来Exosomeは細胞を活性化させる働き、つまり「元気にする」働きがあります。これは、正常な細胞だけでなく、残念ながら「がん細胞」も元気にしてしまう可能性があります。
 ですから、現在がんと診断されている方、あるいは治療中の方には、幹細胞由来Exosome治療は原則として行っていません。この点は、事前にしっかりと問診票で確認させていただき、安全に治療を行うよう徹底しています。
 一方で、エクソソームには免疫を調整する作用もあるため、リウマチなどの「自己免疫疾患」にも効果が期待できますし、新型コロナの後遺症で肺が線維化(硬くなること)してしまった方や、ヘビースモーカーで肺の機能が落ちている方の、肺の機能悪化を抑えるといった作用も期待されています。

エクソソームだけじゃない?自己修復力を高める「自家組織幹細胞治療」

エクソソームが細胞から分泌される「成分」を用いた治療であるのに対し、ReM CLINIC Ginzaでは細胞そのもの、特に受診された方ご自身の細胞を用いた治療にも力を入れています。

それが「自家組織幹細胞治療」です。

ーー先生、貴院では「自家組織幹細胞治療」も行っていると伺いました。これはどのような治療なのでしょうか?

岩田院長
 はい。これは、受診された方ご自身の組織(当院では主に脂肪)から幹細胞を採取し、専門の細胞培養加工施設(CPC)で分離・培養して数を増やし、再び体内に戻す治療法です。
 エクソソームが他人由来(臍帯ウォートンゼリー)の幹細胞の「分泌物」を用いるのに対し、こちらはご自身の「細胞そのもの」を用いるという点が大きな特徴です。当院は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に準拠し、厚生労働大臣に「再生医療等提供計画」を提出・受理されている医療機関ですので、安心して治療を受けていただけます。

ーー自分の細胞が、どのようにして体を治療するのでしょうか?

岩田院長
 体内に戻されたご自身の幹細胞は、「ホーミング」という性質を持っていて、自ら損傷した臓器や組織に集まっていくとされています。
 そこで新しい細胞を補充したり、サイトカインという炎症を抑えたり組織修復を促す物質を分泌したりします。いわば、ご自身の体が元々持っている「自己治癒能力」を高める治療と言えます。

ーーどのようなお悩みを持つ方に、この「自家組織幹細胞治療」は向いているのでしょうか?

岩田院長
 例えば原因がはっきりしない「慢性疼痛」の方などでは、幹細胞が傷ついた部位の炎症や末梢神経障害を修復することで、痛みを和らげる可能性が示されています。基本的には幹細胞由来Exosome治療と同様の効果が期待できると思います。

ーー治療はどのような流れで行うのですか?

岩田院長
 まず、局所麻酔下で受診された方の腹部などから10〜30g程度の、ごく少量の脂肪組織を採取します。これをCPC(細胞培養加工施設)に搬送し、約45日間かけて幹細胞を分離・培養します。
 最終的に、数千万〜1億個程度にまで増殖させた幹細胞を、静脈点滴によって体内に戻します。ご自身の細胞を用いるため、薬剤性のアレルギーや重篤な副作用などの心配が少ないのも、この治療の大きな利点です。

第二の柱:がんを予防し、戦う力を高める「免疫細胞療法」

ReM CLINIC Ginzaでは第二の柱として「免疫細胞療法」を掲げています。

「免疫細胞療法」ついて詳しく教えていただきました。

ーー「免疫細胞療法」についても、詳しく教えてください。

岩田院長
 私たちの体の中では、健康な人でも毎日約3,000個ものがん細胞が発生していると言われています。それでも私たちががんにならないのは、血液中にある「免疫細胞」(リンパ球など)が、日々パトロールをして、がん細胞を見つけては駆除してくれているからです。
 しかし、加齢やストレスなどで免疫力が低下してくると、このパトロール網をかいくぐり、駆除しきれないがん細胞が出てきます。生き残ったがん細胞は、やがて増殖を始め、約10年という長い時間をかけて「微細ながん」となり、その後、急速に成長して目に見える「がん」になるとされています。
 総合免疫細胞再生療法(MIR)、いわゆる「免疫細胞療法」とは、ご自身の血液を採取し、体外で免疫細胞を増殖させたり、強力に活性化させたり、あるいは「がんの目印(抗原)」を覚えさせたりしてから、再び体内に戻す治療法です。
 これにより、低下した免疫力を高め、目に見えない「微細ながん」の段階でも駆除できるようにすること、あるいは、がんの再発・転移を予防すること、がんの予防的な免疫強化を目指します。

ーーReM CLINIC Ginzaでは、どのような免疫細胞療法が受けられるのですか?

岩田院長
 当院では、目的にあわせて主に2つの免疫細胞療法を行っています。

①免疫細胞BAK療法
 これはMIRの一形態で、ご自身の免疫細胞(特にNK細胞やγδT細胞)を体外で増殖・強力活性化させて体内に戻す治療法です。従来の免疫細胞療法(CTL中心)は、がん細胞が持つ特定の「目印」がないと攻撃できないという弱点がありました。しかし、BAK療法で活性化させるNK細胞やγδT細胞は、がん細胞が目印を隠していたとしても、「正常ではない」というだけで異常細胞(がん細胞)を見つけ出し、攻撃できるという特徴があります。これにより、進行がんでも効率よく攻撃できるとされています。

②ハイパーDCワクチン療法(樹状細胞ワクチン)
 こちらは「ワクチン」という名前の通り、がんを攻撃するための「教育」を行う治療です。「樹状細胞(DC)」は、免疫の司令塔のような存在です。この樹状細胞を一度体外に取り出し、がんの目印である「人工がん抗原ペプチド」(WT1など、がん細胞に特有の目印)を覚えさせ(=ワクチン化)、再び体内に戻します。すると、ワクチン化された樹状細胞が、体内のキラーT細胞などのリンパ球に「これが敵(がん細胞)の顔だ!」と教え込みます。これにより、免疫細胞が効率よくがん細胞だけを狙い撃ちできるようになります。

ーー先生が「免疫細胞療法」を取り入れている理由はどこにあるのでしょうか?

岩田院長
 高齢化社会を迎え、日本人は2人に1人ががんになると言われています。そういう時代において、この免疫細胞療法は非常に意義のある治療だと考えています。特に私が奨めたい理由は、「患者さんの負担が少ない」ということです。
 この治療は、ご自身の血液を採取し、血液中の免疫細胞を培養して戻す、あるいは樹状細胞を取り出して教育して戻す、というものです。手術のように体にメスを入れるわけでも、抗がん剤のように正常な細胞まで傷つけてしまうわけでもありません。それが、私が「免疫細胞療法」を、取り入れている大きな理由のひとつです。

ーー標準治療(手術・抗がん剤・放射線)との併用も可能ですか?

岩田院長
 この治療の場合、基本的には標準治療をサポートする形で行っております。免疫力を高めることで、抗がん剤治療などの副作用を軽減しつつ、治療の継続をサポートする効果も期待できます。
 また、がんの治療をすでに終えられた方が、「再発予防」のために受けられるケースも非常に多いです。

ーー保険が適用されない治療ですが、デメリットはないのでしょうか?

岩田院長
 先ほど申し上げた通り、ご自身の細胞を使うため、身体的な負担や重篤な副作用といったデメリットは、少ないと考えています。「これ以上治療法がない」と諦めていた方に免疫療法を行ったら良くなった、という個別の事例は、以前から報告されています。
 ただ、ご指摘の通り、この治療は保険が適用されない自費診療になりますので、それなりの費用がかかってしまいます。また治療が有効であった個別の症例の蓄積は多くありますが、大規模な比較試験のデータなどは必ずしも十分にそろっているとはいえません。当院ではそういった現状も含めてきちんと説明させていただいた上で、理論的にはプラスになる治療であり、標準治療の邪魔をすることはないですよ、というお話をさせていただいております。

第三の柱:病気になる前に知る「超早期リスク検査」

エクソソーム(修復)、免疫細胞療法(防御)に続く、第三の柱が「診断」です。

病気になってからではなく、なる前にリスクを知る。ReM CLINIC Ginzaの先進性は、ここにも表れています。

ーー3つ目の柱である「診断系(各種血液検査)」について教えてください。

岩田院長
 はい。当院では、採血だけで、将来の重大な病気のリスクを評価する、先進的な血液検査を行っています。テレビなどでも「おしっこでがんがわかる」といった検査が紹介されていますが、当院では血液を採取し、血液中にごく微量に存在する物質を測定します。
 具体的には、「超早期がんリスク検査」「脳梗塞・心筋梗塞リスク検査」「軽度認知障害(MCI)リスク検査」の3つです。

ーー従来の人間ドックで行う「腫瘍マーカー」などとは何が違うのですか?

岩田院長
 従来の腫瘍マーカーや画像検査(CT, MRI)は、ある程度がんが大きくならないと検出が難しいという側面があります。一方、当院の検査では「ごく初期段階のリスク」を評価できるのが特徴です。

・EXCEDO-T 超早期がんリスク検査
 血液中のがん細胞が放出する微量の「microRNA(マイクロRNA)」を測定します。これは体内で遺伝子やたんぱく質の発現を調節している物質で、がん細胞からも特有のものが分泌されます。これを解析することで、がんの罹患リスクを判定します。

・脳梗塞・心筋梗塞リスク検査
 動脈硬化を引き起こす原因物質とされる「変性LDL(悪玉コレステロールが酸化したもの)」や「LOX-1(変性LDLを取り込む受容体)」といった物質の血中濃度を測定し、動脈硬化の進行度と将来の発症リスクを予測します。

・軽度認知障害(MCI)リスク検査
 アルツハイマー型認知症の原因とされる「アミロイドβペプチド」。このアミロイドβを脳内から除去する機能を持つ3種類のタンパク質の量を測定し、MCI(認知症の前段階)のリスクを判定します。

このように、早期に発見したいリスクを探すための検査を各種取り揃えています。

ーーもし検査でリスクが見つかった場合、どうなるのでしょうか?

岩田院長
 そこが重要です。リスクを知るだけで終わりではありません。例えば、「超早期がんリスク」が高いという結果が出た方には、必要な画像検査等をおすすめするとともに第二の柱である「免疫細胞療法」によって、がんが目に見える形になる前に予防的にアプローチすることをご提案することもできます。
 また、「脳梗塞・心筋梗塞リスク」や「MCIリスク」が高いと判定された方。これらの原因には「血管の老化(動脈硬化)」や「脳の慢性炎症」が深く関わっています。そこで、第一の柱である「エクソソーム」が活躍します。エクソソームによる血管修復や抗炎症作用、脳機能の活性化を通じて、発症を予防することが期待できるのです。
 このように、診断(検査)と治療(エクソソーム・免疫細胞療法)がシームレスに連携しているのが、当院の大きな特徴です。

ReM CLINIC Ginzaのこだわり|「製剤」の品質を見極める

エクソソームも免疫細胞療法も、自費診療で提供するクリニックは他にもあります。

その中で、ReM CLINIC Ginzaが選ばれる理由、そして岩田院長がその品質を認めた「強み」はどこにあるのでしょうか。

ーーReM CLINIC Ginzaの「強み」はどこにあるとお考えですか?

岩田院長
 一番は、やはり「使用している製剤の品質と安全性」に尽きると思います。私がこのクリニックに着任することを決めた理由も、ここで使う製剤を作っていただいている提携ラボ(細胞培養センター)が、非常に「しっかりしている」と確信できたからです。

ーー「ラボがしっかりしている」とは、具体的にどういうことでしょうか?

岩田院長
 そのラボは、大学と一緒に共同研究などをされている、非常に信頼のおける施設で、当院とは密に情報共有を行っています。私自身も実際に現地に足を運び、その培養技術や品質管理体制が高いレベルにあることをこの目で確認してきました。
 当院で用いる製剤は、基本的に国際基準である「ISO9001」認証を受けた、上記提携ラボの細胞培養センター(CPC)で製造されています。すべての工程が日本国内です。
そして、製剤の品質・安全性を担保するために、以下のような点を徹底しています。

・エクソソームの粒子径測定だけでなく、抗原マーカー(CD9, CD63)が両方陽性であることを確認。
・全ロットで検査・規格化し、高い安全性と品質を担保。
・幹細胞の分裂回数を事前に確認し、老化するまでの約半分の時点で生産することで、細胞老化による品質悪化リスクを回避。
・「ヒト体性幹細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」に基づき、各種ウイルス否定試験(HIV, HBV, HCVなど)、マイコプラズマ否定試験、無菌試験などを全ロットで実施。
・国際細胞治療学会(ISCT)の指針によるMSCの定義(細胞表面マーカーなど)をクリアした細胞のみを使用。

これほど厳格な基準をクリアした製剤だけを、患者さんに提供していることが当院の自信です。

ーーその中でも特に「ゼノフリー/無血清培養」にこだわっていると伺いました。メリットは何ですか?

岩田院長
 はい。これは非常に重要なポイントです。細胞を増やす(培養する)際には、「培地(ばいち)」という、細胞にとっての“栄養ドリンク”のようなものが必要です。従来、この培地には「ウシ血清」など、動物由来の生体成分が使われることが一般的でした。
 しかし、生体成分を使うということは、未知のウイルス感染のリスクや、アレルギー反応を引き起こす可能性がゼロではない、ということです。
 当院の提携ラボでは、この培地から動物由来の血清成分や生体成分を一切排除した「ゼノフリー(Xeno-free)/無血清培養」という高度な技術を用いています。結果として、感染症やアレルギー反応のリスクを極限まで低減することができます。エクソソーム製剤を作るにしても、免疫細胞を培養するにしても、この培養技術がしっかりしていること。「患者さんに、安心して使える製剤が提供できる」ことこそが、当院の強みであり、私が自信を持って治療にあたれる理由になっています。

「幸せに年をとる」ために|岩田 敏院長が描く医療の未来

長年日本の医療を見つめてきた岩田院長に、これからの医療と、私たちが健康に生きていくためのヒントを伺いました。

ーー先生ご自身が、再生医療の分野で今後期待していることは何ですか?

岩田院長
 これは非常に新しい技術を使う治療法ですので、これからまだまだ技術革新が起こってくると思います。例えば免疫細胞療法にしても、よりターゲットを絞れたり、より効率的・効果的な治療法が見つかるかもしれません。クリニック単独でできることには限界がありますから、国内外の大学や、先進的な研究をしている研究機関と協力できることがあれば、積極的に協力して、新しい、より効果的な治療法を探っていきたいと考えていて、既に活動をはじめているところです。

ーー先生がおっしゃる「幸せに年をとる」というのは、具体的にどういうイメージでしょうか?

岩田院長
 単に長生きすればいい、というわけではないですよね。日本の平均寿命は延びましたが、「健康寿命」との間には、まだギャップがあります。そこをなるべく埋めること。アンチエイジングや、免疫を高めることも、その手段の一つです。「幸せに年をとる」ということを、医療の面からサポートできれば、こんなに嬉しいことはありません。
 実は私、腸内細菌叢の研究もしていたのですが、腸内細菌叢も免疫の維持やアンチエイジングに深く関わっていることが分かっています。あるメーカーは睡眠の質改善のデータを出していたり、認知症になりにくいビフィズス菌の研究をしていたり、酪酸産生菌が免疫調整に重要だったり…(笑)。そういう、身近なところにもヒントはたくさんありますよ。

ーー最後に、この記事を読んでいる読者へメッセージをお願いします。

岩田院長
 日本は、病気になっても保険で安く高水準の治療が受けられる、本当に恵まれた国です。しかし、その反面、「病気を予防していく」という考え方が、少し弱いような気もするのです。ワクチンなども、新型コロナでだいぶ意識が変わりましたが、「お金がかかるから」「なんとなく副作用が怖いから」といった理由で、ワクチンで防げる病気もワクチンで防がない、という選択をしてしまうこともああるようです。
 ぜひ、これを機に、ご自身の健康にもっと目を向けていただきたいと思います。病気になってから治すのではなく、病気にならないために何ができるか。
 ReM CLINIC Ginzaは、そのための選択肢を複数ご用意しています。もしご興味があれば、ぜひ一度、お話だけでも聞きにいらしてください。私たちが提供する医療が、皆さんが生涯を通じて健康を保ち、「幸せに年をとる」ための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

ReM CLINIC Ginza

診療科目再生医療
住所〒104-0061
東京都中央区銀座5丁目10-2 GINZA MISS PARIS 2F
診療日10:00~18:00時(最終受付16:30)
休診日日曜・祝日
院長岩田 敏
TEL03-6280-6095
最寄駅東京メトロ日比谷線/都営地下鉄浅草線「東銀座駅」より徒歩1分
東京メトロ銀座線/丸ノ内線/日比谷線「銀座駅」より徒歩2分
東京メトロ有楽町線「銀座一丁目駅」より徒歩7分
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この記事を書いた人

診療ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営する医療情報発信メディアです。開業医の先生方に直接取材を行い、診療への姿勢や先進医療への取り組み、地域医療への貢献、さらには医療業界に対する考えや想いをお届けします。読者の皆さまにとって、医療をより深く理解し、身近に感じていただける発信を続けてまいります。

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