2025年12月18日に実施したインタビューを元に執筆しています。
大阪市住吉区、落ち着いた邸宅街が広がる帝塚山の地に2025年4月、「MOMO CLINIC(モモクリニック)」がオープンしました。
院長を務める笠井彩香先生は、創業140年を誇る化粧品メーカーの家系に育ち、幼少期から「肌」と向き合ってきた美容のプロフェッショナルです。
今回のインタビューでは、笠井院長が大切にしていることやMOMO CLINICの特徴について詳しく伺いました。
創業140年の伝統と医師としての志|笠井 彩香 院長が医師を目指した理由
笠井院長が医師を目指した理由や、バックグラウンドについてお聞きしました。
ーー先生が美容医療に興味を持ち始めたきっかけや、現在、美容皮膚科を選ばれている理由について教えてください。
笠井院長
もともと実家が、創業140年の化粧品メーカー(「美顔水」などで有名な 株式会社 桃谷順天館)を営んでおりまして、小さい時から「肌」や「化粧品」、そして「綺麗になること」が当たり前にある環境で育ちました。朝起きてから寝るまでの間に、家族間で自然と「肌の健康」についての会話が生まれるような、そんな家庭で育ちました。 家族の会話の中には常に「肌悩みを持つ方にどうしたらお役に立てるか?」「美肌作りを通して社会貢献するには?」このような会話が自然に生まれるような環境だったのです。ただ、医師になりたいと思ったのは、それとは全く別のきっかけでした。小学校1年生の時に「お医者さんになりたい」と心に決めて、そのまま医学部に進みました。
その後、いざ専門の科を選ぶ段階になった時に、自分のルーツを改めて振り返ってみたんです。実家の環境を通じて感じていたのは、「化粧品は素晴らしいものだけれど、それだけではどうしても治せない、解決できないお悩みが多く存在する」ということでした。スキンケアが美肌の土台として極めて大切だということを十分に理解した上で、その一歩先にある、医学的な治療ができる皮膚科医・美容皮膚科医として活躍できたらと考えたのが、この道を選んだきっかけです。私自身も2児の母であり、学生時代にはニキビに悩み、今ではシミやシワが気になる一人の女性です。患者様と同じ目線に立ち、一緒に悩みを解決できる医師でありたいと思っています。
ーー長い歴史を持つ化粧品メーカーのご家庭に育ち、医師の道を選んだからこそ見えてきたものはありますか?
笠井院長
化粧品は、今の肌を「守る」ケアとしては最高ですが、すでにできてしまった深いシミや、何度も繰り返す重いニキビ、気になるたるみなどを変えるためには、やはり「攻め」の医療にしかできない領域であるということです。
大学病院や大手のクリニックで経験を積んできましたが、そこで改めて確信したのは、「正しい診断」と「正しいスキンケア」が組み合わさって初めて、本当の美しさが手に入るということ。実家の背景があるからこそ、化粧品の成分についても医師の視点でより深く分析することができます。それを治療に活かせるのが私の強みです。「ここまでは化粧品で、ここからは医療の出番」というように、判断が難しい境目を、プロの目でお伝えすることができると自負しています。
「美容医療をもっと身近に」|MOMO CLINICが目指す理想の空間
2025年4月、笠井院長は自身の生まれ育った地、大阪市住吉区帝塚山に「MOMO CLINIC」をオープンされました。
そこには患者様の体験を意識した、こだわり抜かれた空間がありました。
ーーなぜ、「帝塚山」という場所をご自身のクリニックの拠点に選ばれたのでしょうか。
笠井院長
一番の理由は、私自身がここで生まれ育ち、この街とそこに住む方々が大好きだからです。帝塚山は非常に落ち着いた、気品のある地域ですが、意外にも本格的な美容外科や美容皮膚科をしっかり診てくれるクリニックは多くありませんでした。
「美容医療を受けたいけれど、わざわざ電車に乗ってまで行くのは面倒」「若い人ばかりのクリニックは入りにくい」という地域の方々のお声をよく耳にしていたんです。それならば、自分が信頼する医療を、この慣れ親しんだ場所で、最高のおもてなしとともに提供したいと考え、開院を決意しました。帝塚山三丁目駅から徒歩0分という場所を選んだのも、地域の方々が雨の日でも濡れずに、お買い物ついでに立ち寄れるようにという思いからです。今では地域の方々に限らず、他府県・海外からも多くの方にご来院いただいています。MOMO CLINICを通じて「帝塚山」という地域を知ってもらえるのもとても嬉しいですね。
ーー内装や設備へのこだわりは並々ならぬものだと感じます。特に意識した点はどこですか?
笠井院長
美容クリニックは、ただ治療を受けるだけの場所ではなく、足を運ぶだけで「なんだか綺麗になれそう!」とワクワクし、心からリラックスできる場所であるべきだと思っています。そのため、院内はまるでラグジュアリーホテルのような、非日常を味わえる空間にこだわりました。
具体的には、「プライバシーへの配慮」を優先にしています。受付後の待合は周りの目が気にならない半個室で、診察室や施術室は個室です。さらに、他の患者様と顔を合わせるストレスを極限まで減らせるよう、設計段階からスタッフの動きまで何度も話し合いました。「洗顔中の姿を人に見られたくない」というお声に応え、独立した洗面台を3台設置し、自分だけの空間で洗顔やスキンケアができるようにしています。
ーー「VIPルーム」やリカバリールームも完備されているそうですね。
笠井院長
はい。VIPルームは、診察、洗顔、施術、メイク直し、お会計、さらにはお手洗いまでが一つのお部屋で完結する特別な空間です。一歩もお部屋の外に出ることなくすべての工程を終えられるため、プライバシーをとても大切にされる方々に選ばれています。
また、手術後の回復や点滴のためにお使いいただける「リカバリールーム」には、窓際にふかふかのソファを置きました。院内の窓ガラスはすべてUV(紫外線)カットフィルムを貼っていますので、施術後のお肌を気にすることなく、ゆったりとした時間をお過ごしいただけます。駐車場も4台分完備しており、施術後の腫れや赤みが気になる時期でも、お車で気軽にご来院いただけるよう工夫しています。
「ドクター」がカウンセリング|美容医療の“当たり前”を大切にする
最近の美容クリニックでは、カウンセラーさんが契約をメインで行い、医師は最後に数分だけ顔を出す……というスタイルが珍しくありません。
しかし、MOMO CLINICでは「医師によるカウンセリング」を重視しています。
ーー最近の業界の流れに対して、先生は「お医者さんが診察するのは当たり前のこと」と仰っていますね。
笠井院長
はい。これはスタッフにも常に伝えていることですが、内科に行って「お腹が痛い」と訴えているのに、最初に出てくるのがお医者さんではなく、資格のないカウンセラーさんである……なんてことは、普通の医療現場ではあり得ないですよね。
残念ながら今の美容業界では、売上や効率を優先するあまり、マニュアル通りの提案をカウンセラーさんが行うスタイルが増えています。しかし、美容医療はあくまで「医療」であって、「ビジネス」が主役になってはいけません。
当院では、最初の美容皮膚科カウンセリングは必ず私が担当します。患者様が何に悩み、どうなりたいのか。その背景にある悩みまで含めて医師がしっかりとお聞きし、医学的な根拠に基づいて診断を下す。この「当たり前のこと」を徹底することが、患者様との信頼関係の第一歩だと信じています。
ーー具体的に、どのような流れで肌の状態をチェックしているのでしょうか。
笠井院長
例えば「シミが気になる」と来られた場合でも、そのシミが何であるかを正しく見分けることから始めます。日光によるシミなのか、肝斑(かんぱん)なのか、あざなのか、場合によってはガンの可能性もあり、シミの種類によっては治療法が全く違うからです。当院では、最新のAI搭載3D肌測定機器「EveV」を導入しています。
肉眼では見えない肌の奥深くに存在するシミ予備軍や、将来のシワのなりやすさ、赤みや水分量などを数値で目に見える形にできるため、私の診察と組み合わせることで、より精度の高い、納得感のある治療提案が可能になります。また、2回目以降の通院の方でも、必ず毎回私が直接お肌の状態を確認します。「前回と同じでいい」と決めつけるのではなく、「今日の肌状態には、この治療が本当にベストか」を毎回判断することにこだわっています。
美しさは、心身の健やかさから|笠井 彩香 院長が大切にする「自分磨き」
患者様に「美」を提供する医師として、笠井院長自身も日々の生活習慣や、自分自身のメンテナンスにこだわりがあるそうです。
ーー笠井先生ご自身の健康管理や、お肌のためにハマっていることはありますか?
笠井院長
院長になってからは「自分が倒れるわけにはいかない」という責任感もあり、まずは健康維持のために「睡眠の質」を徹底的に見直しました。
10年ほど同じ枕を使っていたのですが、つい先日、患者様に教えていただいた枕に変えてみたんです。同時に、パジャマも体をしっかり温める素材のものに変えてみました。すると、驚くほど眠りの深さが変わり、寝起きの疲れや肩こりも感じにくくなりました。「健康への投資」は、そのまま肌の回復力にも繋がります。スキンケアを頑張っても、寝不足が続いてしまうと肌は生まれ変わりませんから、まずは環境を整えることを大切にしています。
ーー美容医療についても、先生ご自身で試されることが多いのでしょうか。
笠井院長
もちろんです! 「自分の顔にされたくないことは、患者様にも絶対にしない」というのが私のポリシーです。新しい治療や製剤が出たら、まずは自分の顔で試します。どれくらい痛いのか、どれくらい腫れるのか、ダウンタイムはどんな感じか……。自分自身が経験していないことは、患者様に自信を持っておすすめできませんから。
常に自分自身の肌で実験し、納得したものだけをクリニックのメニューに採用しています。私が継続して受けているのは、お肌の土台を整える「肌育注射」や、表情を和らげる「ボトックス」などです。一気に形を変えるのではなく、少しずつ、周囲から気づかれない程度にメンテナンスを続ける。それが、私が理想とする「自分を好きでいられる美容」の形です。
ーー先生にとっての「美しい人」の定義とはどのようなものでしょうか?
笠井院長
やはり「ナチュラルであること」だと思います。何かをしたことがバレるのではなく、「理由はわからないけれど、最近すごく生き生きしているね」と思われるのが一番素敵です。
患者様と診察室で、お子さんの話やお孫さんの話をして笑い合いながら、心が満たされる。そんな心の健康が、お肌のツヤとなって現れるのだと感じています。当院の最高齢の患者様は90歳ですが、いつも本当にお綺麗で、私自身もそんなふうに年齢を重ねていきたいと刺激をいただいています。
MOMO CLINICの美肌治療|肌育注射と痛みへの対処
MOMO CLINICの美肌治療では、最新の肌育注射を取り入れています。
また、施術時に患者様の多くが抱える「痛み」や「不安」を取り除くための取り組みについてお聞きしました。
ーー最近よく聞く「肌育(はだいく)注射」とは、どのような治療ですか?
笠井院長
従来のヒアルロン酸のように形を作るのではなく、お肌そのものの「土台」を健やかに育てることを目的とした施術です。当院では8種類ほどの製剤を揃えていますが、中でも独自レシピの「モモクリ注射」が一番人気です。
ーーどんな方におすすめですか?
笠井院長
「どこが、とは言えないけれど、全体的に肌を底上げしたい」「内側から発光するようなツヤが欲しい」という方に最適です。加齢とともに弱くなるお肌の再生力を助け、ハリと透明感を引き出します。AI診断機で数値を測ると、水分量やトーンが上がっているのがわかるので、皆さん楽しみながら継続してくださっています。無理に形を変えるのではなく、お肌を元気にすることで「若々しさ」を取り戻す。そんな今の時代に合った治療です。
ーー最新のオペ室や、使用する器具にもこだわりがあるとお聞きしました。
笠井院長
はい。自社ビル内に、衛生・安全管理を徹底した最新のオペ室を完備しています。笑気麻酔・静脈麻酔・全身麻酔ができる設備や手術中の環境にこだわりを持っているのはもちろんのこと、針や糸、メスや止血器具に至るまでとことんこだわっています。
例えば、お肌に成分を届ける注射。当院では35G(ゲージ)という、非常に細くて短い高価な針をお選びいただけます。通常の針よりも痛みがぐっと抑えられ、内出血のリスクも低くできます。また、切開用のメスも切れ味が極めて良いものを厳選し、縫合糸にもこだわることで、傷跡が残りにくい工夫を凝らしています。
ーー「痛み」が苦手な方への配慮として、他にどのような工夫をされていますか?
笠井院長
麻酔一つとっても、既製品をそのまま使うのではなく、独自に配合した特製のクリーム麻酔を使用しています。これにより、麻酔の効きをより良くし、施術中の痛みを減らしています。
また、笑気麻酔(リラックスするガス)や静脈麻酔など、患者様のご不安に合わせて選べる体制を整えています。医療機器についても、脂肪吸引に使用する管(カニューレ)を特注で細く作ったり、局所麻酔やボトックス®注射もできるだけ細い針を使い患者様の負担を軽減したりと、患者様の負担を少しでも減らすための投資は惜しみません。「美容医療=痛い、怖い」というイメージを、一つひとつ丁寧に取り除いていきたいと思っています。
140年の知恵を凝縮した「モモクリコスメ」とホームケア
MOMO CLINICでしか手に入らないオリジナル化粧品へのこだわりを伺いました。
ーー化粧品会社と共同開発された「モモクリコスメ」について教えてください。
笠井院長
「株式会社 桃谷順天館」の研究所と力を合わせて開発したのが、当院オリジナルのドクターズコスメです。
一般的にドラッグストアなどで売られている化粧品は、誰が使っても安全なように成分の濃度が抑えられています。しかし、ドクターズコスメであれば、医師の管理のもと、より効果が期待できる高濃度の成分を配合できます。私が「自分が一生使いたい!」と思えるものができるまで、2年かけて何度も作り直しました。
ーー特に人気の製品はありますか?
笠井院長
「しっかり潤う」ラインと「ニキビ・シミを抑える」ラインの2つがありますが、特にこだわったのはクレンジングと洗顔です。多くの肌トラブルは、洗う時に水分を奪いすぎてしまうことで起こります。「洗った後の方がお肌の水分量が増えている」という驚きの処方を実現しました。
日々のスキンケアは、月に約60回もチャンスがあります。この時間を正しく使うことで、クリニックでの治療効果はぐんと上がります。パウダールームにすべてのテスターを置いていますので、ぜひ「洗った後のしっとり感」を体験していただきたいですね。
MOMO CLINICのスタッフと運営|ファンを作るために
MOMO CLINICは、他のクリニックには真似できないような、おもてなしの提供を目指しています。
笠井院長の徹底したスタッフ教育についてお聞きしました。
ーースタッフの育成において大切にされていることは何ですか?
笠井院長
私の考えは「今日の売上よりも、10年後も続く信頼関係の構築」を何より大事にすることです。当院には60代から80代の、人生経験豊かな患者様が多くいらっしゃいます。そうした方々に失礼のない、丁寧な言葉遣いや立ち振る舞い、そして当院らしい温かさを大切にしています。
スタッフ選びから教育まで、私が直接関わっています。単に技術があるだけでなく、患者様の悩みやライフスタイルに寄り添える「心」があるか。それを重視してチームを作っています。
ーー患者様とのコミュニケーションで意識されていることはありますか?
笠井院長
現在は一日に15名ほどの方とじっくりやり取りをさせていただいています。大手の美容クリニックでは、カウンセリングも施術も「流れ作業」のようになってしまうことが多いですが、MOMO CLINICでは、一人ひとりの背景(お孫さんのお話や、最近の体調など)まで把握した上で、丁寧に会話を積み重ねることを心がけています。この「顔が見える関係」こそが、私たちが一番大切にしているブランドの形です。
MOMO CLINICのこれから|地域密着型クリニックとして
美容医療だけでなく、地域の方々の「お肌の相談所」としての役割も、MOMO CLINICの大切な使命だと、笠井院長は語ります。
ーー「保険診療」も積極的に行っている理由を教えてください。
笠井院長
美容クリニックの中には自費診療のみという場所も多いですが、当院ではニキビ治療や急な怪我、火傷などの保険診療も大切にしています。私自身、学生時代にニキビで深く悩んだ経験があるからこそ、若い方にも気軽に相談に来ていただきたいんです。
実はニキビの約9割は、保険診療できちんと治ります。「美容皮膚科だから」と自費診療しかしないなど、無理に高い治療を勧めるのではなく、まずは保険でベースを整え、それでも気になる部分に自費を組み合わせる。主人が得意とする形成外科の技術も、地域の皆さんの急なトラブルの際に役立てていただきたいと思っています。
ーー読者の皆さまへ、最後にメッセージをお願いします。
笠井院長
美容クリニックは、決して怖い場所ではありません。「洗顔のやり方を教えてほしい」「ちょっとニキビができたからお薬をください」といった、毎日の些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください。あなたとお会いできる日を、スタッフ一同心よりお待ちしております。

MOMO CLINIC
| 診療科目 | 美容外科・美容皮膚科・形成外科 |
|---|---|
| 住所 | 〒558-0053 大阪府大阪市住吉区帝塚山中3丁目7番3号 TEZUKAYAMA GARDEN PLACE 2F |
| 診療日 | 9:30~18:00(受付開始時間9:00~) |
| 休診日 | 日曜、月曜、その他 |
| 院長 | 笠井 彩香 |
| TEL | 06-6625-9900 |
| 最寄駅 | 阪堺電気軌道上町線「帝塚山三丁目駅」より徒歩0分 南海電鉄高野線「帝塚山駅」より徒歩4分 |

