ケーズ皮膚科 小倉城野駅前院|新井 知隆 院長|「治らない」と諦める前に。人生をハッピーにするための皮膚科を目指して

2025年11月27日に実施したインタビューを元に執筆しています。

鏡を見るたびに憂鬱になる、繰り返す肌荒れに自信を失ってしまう……。

皮膚のトラブルは、単なる「見た目の問題」だけではなく、私たちの心に深く影を落とすものです。特に、長引くニキビやアトピー性皮膚炎に悩み、「もう治らないのかもしれない」と諦めかけている方も多いのではないでしょうか。

福岡県北九州市、JR城野駅から徒歩2分。2024年6月に開院した「ケーズ皮膚科 小倉城野駅前院」には、そんな悩みを持つ患者様が訪れています。

院長を務めるのは、皮膚科医歴25年以上のベテラン、新井 知隆(あらい ともたか)先生。長年の経験に裏打ちされた鋭い診断眼と、患者様の人生そのものを良くしたいという温かな情熱がありました。

今回は、新井院長がなぜ皮膚科医の道を選んだのか、そしてニキビ治療の最前線について、じっくりとお話を伺いました。

目次

自身の原体験が導いた「皮膚科医」への道|父の背中と、治る喜びを知った新井 知隆 院長の幼少期

皮膚科医として25年以上のキャリアを持ち、数えきれないほどの患者様の肌を診てきた新井院長。

その原点には、先生ご自身が幼少期に経験した「ある体験」にありました。医師としてのルーツと、この道を選んだ理由について掘り下げます。

ーーまずは、先生が医師を志し、その中でも「皮膚科」を専門に選ばれたきっかけについて教えていただけますか?

新井院長
 私にとって、皮膚科医というのは生まれた時から非常に身近な存在でした。というのも、私の父親が皮膚科医だったからです。父が働く背中を見て育ったことは、やはり大きな影響があったと思います。
 それと何より大きなきっかけとなったのは、私自身が子供の頃にひどい「アトピー性皮膚炎」に悩まされていたことですね。汗をかくとかゆくなり、湿疹が出て、掻きむしっては血だらけになる……そんな辛い日々を過ごしていました。
 そんな時、父が処方してくれた薬を使うと、嘘のように症状が治まったんです。「あんなに辛かった痒みが消えた」「肌がきれいになった」という感動は、子供心に強烈な喜びとして刻まれました。その時、「自分も父のように、人を喜ばせられる立場になりたい」と強く思ったんです。それが、私が医師、そして皮膚科医を目指した原点ですね。

ーーご自身の辛い経験と、治った時の感動が原動力になっているのですね。医学部時代の実習でも、やはり皮膚科への思いは強かったのでしょうか?

新井院長
 そうですね。医学部では内科や外科など、全ての科を回る「病棟実習」というものがあります。一通り経験しましたが、やっぱり皮膚科の実習が一番楽しかったんです(笑)。他の科ももちろん素晴らしいのですが、自分自身が一番興味を持って、前のめりになれたのが皮膚科でした。「好きこそ物の上手なれ」ではないですが、自分が一番楽しいと感じられる分野に進むのが、結果として患者様のためにもなるのではないかと思い、迷わず皮膚科を選びました。

新井 知隆 院長の専門性|25年の経験が支える診断力

「皮膚科が一番楽しかった」と語る新井院長。

ベテラン医師ならではの「診断の流儀」に迫ります。

ーー実際に皮膚科医になられてみて、どのような点にやりがいや面白さを感じていらっしゃいますか?

新井院長
 これは患者様には少し誤解を招く言い方かもしれませんが……皮膚科というのは、非常に「分かりやすい」科なんですよ。例えば内科であれば、問診をして、血液検査をして、画像診断をして……と、様々な検査データを積み上げて診断をつけますよね。もちろん皮膚科でも検査は行いますが、基本的には「患部を見た瞬間」に多くの情報が得られます。
 私の性格上、「AだからBになる」といった論理的でスピーディーな展開が好きなんです。「見て診断がつき、治療をして良くなる」。このテンポの良さが、自分にはすごく合っていると感じています。まどろっこしいことが苦手な私にとって、結果が目に見えて分かる皮膚科は天職だと思っています。

ーー「見ただけで分かる」というのは、長年の経験があってこそ成せる技だと思います。

新井院長
 実は、皮膚の症状から内臓の病気が見つかることもあるんですよ。それこそが皮膚科医としての醍醐味ですね。皮膚は「内臓の鏡」とも言われています。内科の先生が気づかなかった病気が、皮膚症状として現れていることがあるんです。
 例えば、「膠原病(こうげんびょう)」という病気があります。これは診断が難しい病気なのですが、皮膚に特徴的なサインが出ることがある。また、ただの湿疹や痒みだと思って来院された患者様の肌を見て、「何かがおかしい」「普通とは違う」という違和感を抱くことがあります。

ーーその「違和感」が、重大な病気の発見に繋がるわけですね。

新井院長
 そうです。言葉で説明するのは難しいのですが……「ただ単に赤いだけじゃない」「この痒み方は尋常じゃない」といった、経験則からくる直感のようなものです。その違和感を頼りに詳しく検査を進めると、背景に隠れていた内臓疾患や肝臓の異常、稀ではありますが悪性腫瘍(がん)が見つかることもあります。
 私が皮膚科医になって25年以上経ちますが、皮膚症状から稀ではありますが、悪性腫瘍を見つけた経験があります。そうやって隠れた病気を突き止め、適切な専門科に送ることができた時は、医師として本当に良かったと思いますね。患者様にとっても、病気の早期発見に繋がるわけですから、まさにハッピーな結果です。
 皮膚科医は皮膚だけを診ているようで、実は全身の健康を守るゲートキーパーのような役割も担っていると自負しています。

ケーズ皮膚科を選んだ理由とニキビ治療への情熱|保険診療と自由診療の選択

長年、勤務医として地域医療を支えてきた新井院長が、2024年に「ケーズ皮膚科」の院長に就任した背景には、ある葛藤と、より良い治療への渇望がありました。

特に力を入れている「ニキビ治療」について、その想いを語っていただきました。

ーー先生は長年、総合病院などで皮膚科診療をされてきました。今回、ケーズ皮膚科 小倉城野駅前院の院長に就任された経緯には、どのような想いがあったのでしょうか?

新井院長
 これまでは主に「保険診療」の範囲内で治療を行ってきました。もちろん、日本の保険医療制度は素晴らしいものです。しかし、皮膚科医を長く続けていると、どうしても「保険診療の限界」という壁にぶつかることがあります。
 例えばニキビ治療において、保険適用の薬を処方しても、どうしても効果が出にくい方、副作用で使い続けられない方、一度治ってもすぐに再発してしまう方がいらっしゃいます。「保険診療ではこれ以上の手立てがない」という状況になった時、患者様に「これ以上はできません」とは言いたくない。もっと選択肢があれば、この人を救えるのに……というジレンマをずっと抱えていました。

ーーそのジレンマを解消できる環境が、ケーズ皮膚科にはあったのですね。

新井院長
 その通りです。ケーズ皮膚科は、保険診療をベースにしつつ、そこではカバーしきれない部分を補う「自由診療(自費診療)」の選択肢が非常に豊富です。
 ニキビ治療で言えば、治りにくいニキビの根本原因である皮脂腺を直接破壊する「アグネス(Agnes)」のような最新機器も導入されています。理事長の、こうした「保険診療+アルファ」の治療方針に深く共感しました。保険診療だけでは治せなかった患者様に対し、「まだ手はあるよ」「こういう方法も試せるよ」と提案できる。これは医師として非常に心強いですし、何より患者様の希望になります。

ーー特に「ニキビ」は当事者にとっては深刻な悩みですよね。

新井院長
 ニキビは立派な「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という皮膚の病気です。「ニキビくらいで病院に行くなんて」と躊躇される方もいますが、私は声を大にして「ぜひ来てください」と言いたいですね。
 今は私が皮膚科医になった30年前とは時代が違います。昔はニキビの薬なんてほとんどありませんでしたが、今は5〜6種類以上の薬が登場していますし、当院のように機器を使った治療も選べます。自己判断で市販薬を使い続けたり、ネットの情報を鵜呑みにして悪化させてしまう前に、専門家である私たちの目を頼ってほしいと思います。

ーー遠方から来られる患者様もいらっしゃるそうですね。

新井院長
 基本的には北九州や城野エリアの地域の方が中心ですが、やはりニキビに関しては「他の病院に通ったけれど治らなかった」といって、車で30分以上かけて来院される方もいらっしゃいますね。それだけ切実な思いで来られているわけですから、私たちも持てる全ての引き出しを使って、その悩みに応えていきたいと思っています。

新井 知隆 院長の哲学「人生をハッピーに過ごしてほしい」|制限しすぎない、患者様ファーストの哲学

新井院長は、「患者様の人生の質(QOL)」を最優先に考えているそうです。

ーー日々診療にあたる中で、先生が最も大切にされている「診療哲学」のようなものはありますか?

新井院長
 私の根本にあるのは、「患者様に人生をハッピーに過ごしてほしい」、そして「私自身もハッピーでありたい」という想いです。皮膚の状態を良くすることはもちろん大切ですが、そのために日常生活をガチガチに制限してしまうのは本末転倒だと思うんです。「あれを食べちゃダメ」「これはしちゃダメ」「絶対こうしなさい」……そんな風に言われたら、誰だって辛いですよね?
 だから私は、無理な制限や厳しい指導は極力しないようにしています。

ーー「治すため」とはいえ、生活が窮屈になっては意味がないということですね。例えば、薬を塗るのが苦手な患者様にはどう対応されているのですか?

新井院長
 もちろん「塗らないと治らないよ」という事実は伝えますが(笑)、頭ごなしに怒ることはしません。患者様にもそれぞれのライフスタイルや事情があります。仕事が忙しくて時間が取れない人、背中など手が届かない場所に症状がある人、ベタつくのが嫌な人……。なので、「塗れないなら、塗れないなりにどうするか」を一緒に考えます。例えば、内服薬(飲み薬)メインに切り替えるとか、塗る回数を減らせる薬に変えるとか。
 「無理なものは無理」と割り切って、その人の生活の中で実行可能な「ベストな妥協点」を探す。それが、結果として治療を長く続けるコツであり、完治への近道だと考えています。

ーー先生のその柔軟な姿勢が、患者様の安心感につながっている気がします。

新井院長
 私がしかめっ面をして診察室に座っていたら、患者様も緊張して言いたいことが言えないでしょう?スタッフにもよく言いますが、まずは働く私たちがハッピーで、楽しくなければ、患者様に優しくなんてできません。飲食店でもデパートでも同じですよね。「ここに来ると何だかホッとする」「先生と話すと元気になる」。そんなクリニックでありたいと思っています。

小手術も担う、地域医療の砦「ケーズ皮膚科 小倉城野駅前院」

新井院長がこだわっているのは、ニキビ治療だけではありません。

地域医療を担う医師としての矜持を語っていただきました。

ーークリニックで注目していただきたい診療メニューはありますか?

新井院長
 意外に思われるかもしれませんが、当院では「小手術」も積極的に行っています。皮膚科クリニックの中には、手術は行わず、すぐに大きな病院へ紹介する先生も少なくありません。もちろん、大掛かりな手術や入院が必要なケースは紹介しますが、「ちょっとした粉瘤(ふんりゅう)」や「ほくろの切除」など、日帰りで済むような小さな手術であれば、私が院内で執刀しますよ。

ーー皮膚科で手術まで完結できるのは、患者様にとって負担が少なくて助かりますね。

新井院長
 「小さい手術のために、わざわざ大きい総合病院に行って、長い待ち時間を過ごしてもらうのも申し訳ない」という思いがあるんです。地域のクリニックで完結できることは、できる限りここで引き受けたい。これまで大学病院などで多くの症例を見てきた経験がありますから、小さな手術に関しては自信を持っています。「できものが気になるけれど、大きな病院に行くほどでもないし……」と悩んでいる方は、ぜひ相談に来てほしいですね。

ケーズ皮膚科 小倉城野駅前院が目指す「地域のかかりつけ医」

新井院長の今後の展望についてお聞きしました。

常に知識をアップデートし続けるベテラン医師は、これからの医療をどう見つめているのでしょうか。

ーー皮膚科医療は日々進歩していますが、先生が今、個人的に期待している治療法や分野はありますか?

新井院長
 最近はアトピー性皮膚炎の治療薬が進化しています。「生物学的製剤(バイオ製剤)」という注射薬が登場し、これまで何をやっても治らなかった重症のアトピーの方が、驚くほどきれいになるケースが増えています。ただ、これらは非常に高価なのがネックです。もっと薬価が下がって、誰もが使いやすい世の中になってほしいですね。
 あと、個人的にずっと待望しているのが「ウイルス性イボ」の痛くない治療法です。子供のイボ治療には、30年前から変わらず「液体窒素」で焼くという痛い治療が主流なんです。子供たちが泣き叫ぶ姿を見るのは心苦しいので、痛みがなく、かつ効果的な塗り薬などが開発されることを切に願っています。

ーー最後に、お肌のトラブルに悩んでいる読者の方へ、メッセージをお願いします。

新井院長
 皮膚は目に見える臓器であるがゆえに、少しのトラブルでも気になりますし、逆に「これくらいで」と我慢してしまうことも多い場所です。でも、鏡を見た時に肌がきれいになっていると、それだけで表情が明るくなり、性格まで前向きになれる。私はそんな患者様をたくさん見てきました。高校生の女の子が、ニキビが治った途端にパッと顔つきが変わって、自信に満ちた笑顔を見せてくれる。それが私にとって一番の喜びです。
 当院では、ニキビ治療はもちろん、アトピーや湿疹、そしてちょっとした皮膚腫瘍の小手術まで幅広く対応しています。「大きな病院に行くほどではないけれど、気になる」というイボやできものがあれば、私がここで切除手術を行うことも可能です。ネット上の不確かな情報に惑わされて一人で悩むよりも、まずは専門医に相談してください。
 どんな些細なことでも構いません。皆様がハッピーな毎日を送れるようお手伝いさせていただきます。

ケーズ皮膚科 小倉城野駅前院

診療科目形成外科・小児皮膚科・皮膚科・美容皮膚科
住所〒802-0062
福岡県北九州市小倉北区片野新町3-1-1メディプラ城野2階
診療日(月・火・水・木・金・土)
9:30〜13:00
(月・火・木・金)
14:00〜17:30
休診日水曜午後、土曜午後、日曜、祝日
院長新井 知隆
TEL093-953-6733
最寄駅日豊本線「城野駅」より徒歩2分
西鉄バス「城野駅前バス停」より徒歩2分
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この記事を書いた人

診療ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営する医療情報発信メディアです。開業医の先生方に直接取材を行い、診療への姿勢や先進医療への取り組み、地域医療への貢献、さらには医療業界に対する考えや想いをお届けします。読者の皆さまにとって、医療をより深く理解し、身近に感じていただける発信を続けてまいります。

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