イーヘルスクリニック新宿院|「WORK AS LIFE」を支える医療を目指す 天野 方一院長が語る“医療アクセス”と”予防医療”

2025/08/21に実施したインタビューを元に執筆しています。

忙しい働き盛りのビジネスパーソンにとって、時間は最大の資源です。

体調が気になっても「病院に行く時間がない」と後回しにしていませんか。

イーヘルスクリニック新宿院は、オンライン診療×薬の配送×完全予約制で“待たせない受診体験”を追求するクリニック。

腎臓内科の専門医で産業医でもある天野 方一(あまの ほういち)院長に、イーヘルスクリニックとはどんな場所か、イーヘルスクリニックの診療の中身、そして働く人の健康を守るための工夫や取り組みについて伺いました。

目次

イーヘルスクリニックとは|「仕事の価値を落とさない」ための医療アクセスを作る

イーヘルスクリニックは、新宿三丁目駅徒歩1分の立地で、24時間予約可能な仕組みとオンライン診療を組み合わせた“ハイブリッド型のクリニック”です。

多忙な方でも受診を続けられるよう、対面とオンラインを状況に応じて使い分ける前提で設計されています。

ーーイーヘルスクリニックとは、一言でいうとどんなクリニックですか?

天野院長
 「いつでも、必要なときに、直接でもオンラインでも医療を受けられる」場所です。新宿三丁目駅から徒歩1分、JR新宿駅からも徒歩7分とアクセスがよく、完全予約制で待ち時間を短くするための工夫をしています。内科・腎臓内科を軸に、アレルギー、性感染症、肥満外来、ビタミン点滴など予防医療・健康増進にも対応しています。英語・中国語での診療体制も整え、在住外国人や海外からのご利用にもお応えしています。

ーーコンセプトの背景にはどんな課題意識があったのでしょう?

天野院長
 これからの時代、仕事と健康を切り分けず「WORK AS LIFE」として捉える発想が大切だと思っています。例えば受診のために半休が必要だと、治療は続きません。「行けない」を「行ける」に変えるアクセス設計こそ、予防医療の土台だと考えています。

開院の原点と院長の歩み|腎臓内科×公衆衛生で見えた「予防」の大切さ

ここからは、院長がなぜ“通いやすさ”にこだわるのか、その原体験と経歴を掘り下げていきます。

腎臓内科の現場と公衆衛生の学びが結びついた時、クリニックの方向性が定まったそうです。

ーー数ある診療科の中で、なぜ腎臓内科を専門にしたのでしょうか?

天野院長
 慢性腎臓病(CKD)は、日本では成人の8人に1人が該当するといわれる、身近で重要な病気です。腎臓は体の“ろ過装置”で、一度悪くなると元に戻りにくい臓器です。勤務医時代、健康診断を受けずに病気が進み、救急搬送で初めて重い腎不全が見つかるケースを何度も経験しました。そこで、予防と早期受診が鍵で、アクセスの壁を下げることが不可欠だと痛感しました。

ーーその後、公衆衛生を学ぼうと思った理由について教えてください。

天野院長
 臨床の現場で感じた「なぜCKDが悪化してしまったのか」「もっと早く診られなかったのか」という課題に、個別の診療だけでなく集団への視点で向き合う必要があると思ったからです。帝京大学大学院の公衆衛生学で学び、Harvard T.H. Chan School of Public Healthにも留学しました。産業医として企業で働く人を診る中で、「行きたくても行けない」現実を目の当たりにし、受診のハードルを下げる仕組み作りに舵を切りました。

ーー開院の決め手は何でしたか?

天野院長
 新宿というビジネスの中心地で、土日や夜間も含めた受診、オンライン診療、薬の配送までを一本化すれば、治療の継続率が上がるはず。そう考えてイーヘルスクリニック新宿院を立ち上げました。

イーヘルスクリニックの受付

“待たせない”ために|オンライン×配送×完全予約制

忙しい方が治療を受けやすくするための工夫がイーヘルスクリニック新宿院にはありました。

ーーオンライン診療はどのように活用するのが理想ですか?

天野院長
 例えば年12回の定期受診が必要な方でも、検査のある回は来院、それ以外はオンラインにすれば、来院は年3回程度に減らせます。診察→服薬指導→薬の配送まで一気通貫で設計しているので、出張先からの受診にも対応できます。ライフスタイルに合わせて、続けやすい形で活用していくのが良いかと思います。

ーー薬の受け取りはどうなるのでしょうか?

天野院長
 配送に対応する薬局や物流パートナーと連携し、オンライン診療後にご自宅や滞在先へお届けする仕組みを整えています。土日や夜間の配送可否、配送料など患者さんのニーズに合う先を選定しています。今はそこまで多くはないですが、状況によってはwoltなどで配送できる仕組みを活用することもあります。

ーー実際の所要時間はどのくらいになりますか?

天野院長
 完全予約制で運用しており、混雑状況や検査内容によりますが、受付から会計まで15分程度で終わるケースもあります。「待たせない」ことは、続けやすさの核心だと考えています。システムを駆使しながら、クリニックの運営が円滑に回るように強固な体制を整えています。

ーービジネスパーソンの具体的な利用シーンを教えてください。

天野院長
 例えば外資系の営業の方が、出張中に発熱している状況でもオンラインで受診し、現地に薬を配送します。体調を崩すと商談の成果やチームのパフォーマンスにも影響しますよね。そのような事がないように、「仕事のパフォーマンスを落とさない」ための医療を当院では提供しています。

イーヘルスクリニックの待合室

診療内容と流れ|内科全般から腎臓、花粉症、性感染症、肥満外来まで

イーヘルスクリニックの診療領域と、現場での工夫についてお聞きしました。

ーーイーヘルスクリニックの診療は、どのような疾患に対応していますか?

天野院長
 内科全般(風邪・発熱・胃腸症状・生活習慣病)、腎臓内科、アレルギー、性感染症、肥満外来、ビタミン点滴などに対応しています。また、花粉症治療は業務効率の改善にもつながるため特に重視しています。院内にエコーやレントゲンの設備を備え、栄養カウンセリングの専門職と連携しながら、必要に応じて他院・他科とも連携しています。

ーー腎臓内科に来院される方について教えてください。どのような理由で来られる方が多いのでしょうか?

天野院長
 健康診断で腎機能の数値に引っかかった方が最も多いです。eGFR(推算糸球体ろ過量)や尿たんぱくなどの異常は、早めに評価し直すほど将来のリスク管理に役立ちます。検査の意味や次にどうすればいいかをわかりやすく説明するように心がけています。

自由診療への考え方|保険診療では足りない部分を補う

保険診療(標準治療)は、誰もが受けられるという意味で非常に重要です。

ですが、イーヘルスクリニック新宿院では、より高い健康状態をめざす方のために自由診療の選択肢も用意しています。ここでは、巷で話題となっているGLP-1についても教えていただきました。

ーーGLP-1などによる医療ダイエットについてはどのように位置づけていますか?

天野院長
 まず大前提として、私は体重管理そのものを予防医療の一部と考えています。その中でも、GLP‑1受容体作動薬は、食欲や血糖に関わるホルモンの仕組みを活用する薬です。正しく適応を選び、副作用を見守る体制があれば、忙しい方の「続けやすい減量」を後押しする選択肢になり得ると考えています。
 たとえば標準体重を明らかに上回る方で、「このまま放置すれば10年後に心筋梗塞などの心血管イベントのリスクが現実味を帯びる」ケースは少なくありません。そうした方にとって、体重を落とすための道具としてGLP‑1を使うことは、重症化を未然に防ぐという点で合理的だと考えています。
 一方で、誰にでも一律で勧めるものではありません。「ちゃんとした人に、ちゃんとして使う」ーつまり適応の見極めと説明・同意が徹底されていることが前提です。自由診療のため、費用や期待できる効果の幅、副作用について個人差があることを必ずご説明し、同意を得たうえで進めています。

ーー具体的にはどのような方がいらっしゃるのでしょうか?

天野院長
 実際に当院には、100kgを超える方、さらには120〜130kg台の方も受診されます。“今の体重をこの先も維持して良いのか”という問いに医学的に向き合う必要がある方々です。生活や仕事に支障が出ている、健診で複数の指摘が増えているなど、将来の合併症リスクが現実的な方ほど、体重管理の優先度は上がります。そのような中で、GLP‑1はその選択肢の一つに過ぎませんが、継続しやすさという面で役立つケースがあります。

ーー近年では、GLP-1がダイエット治療薬として利用されていることへの疑念や議論が多くされていると思います。

天野院長
 報道や議論の影響で、自由診療に対する抵抗感があることも理解しています。日本は保険診療の枠組みが非常に整った国ですから、枠外の医療に慎重さが向かうのは自然です。だからこそ当院では、適応・リスク・費用の透明性を最優先に、合う人にだけ提案します。必要な人に必要な医療を、過不足なく届けることが当院の役割だと考えています。
 なお、海外では一般的に活用されている場面も多く見られますが、私たちは日本の医療文化や患者さんの実情を踏まえ、地に足のついた運用を守っています。GLP‑1は「使えば痩せる薬」ではなく、あくまでも「適切に選び、見守りながら使えば、将来の大きなリスクを減らすために役立つことがある薬」であると認識しています。

産業医の視点|“続けられる治療”が、生産性を上げる

病気の重症化予防は本人の健康だけでなく、チームの生産性や企業の業績にも波及します。

産業医としての経験から、働く人に寄り添うための取り組みについて教えていただきました。

ーー産業医の現場で感じた最大の課題はなんでしょうか?

天野院長
 ビジネスパーソンの多くが、「行きたくても行けない」にあるということです。受診のために2〜3時間、場合によっては半休が必要だと、治療は続きません。オンライン診療、土日・夜間の選択肢、薬の配送といった仕組みで接点を増やすことが、重症化予防に直結すると考えています。

ーー加えて、遠隔地の医療課題に対しても取り組んでいるそうですね。

天野院長
 はい。通信・小売のパートナーと連携し、コンビニなど既存の生活インフラを拠点にオンライン診療の受け皿を広げています。将来的には公民館や郵便局など身近な公共空間でも受診できる世界を目指し、医療アクセスの地域差を着実に縮めていきたいと考えています。

ーー具体的には、どこで利用できますか?

天野院長
 2025年6月23日から、KDDIが提供する次世代リモート接客プラットフォームを医療分野で先行的に導入しました。現在はTAKANAWA GATEWAY CITY内のローソン高輪ゲートウェイシティ店(Real×Tech LAWSONの実験店舗)に設けた個室ブースから、イーヘルスクリニック新宿院のオンライン診療を受けることができるようになっています。 個室ブースに入り、専用端末の画面をタップするだけで医師とのビデオ通話につながります。接続切れや遅延を抑える設計で、短い待ち時間でも対面診療と同様に丁寧なやり取りが可能です。「移動のついで」「買い物のついで」に受診できるのがポイントです。

ーーこの取り組みで、どんな方が受診しやすくなりますか?

天野院長
 ビジネスパーソンや子育て・介護で時間が取りにくい方が、生活の動線上で“今”必要な医療につながりやすくなります。このように「会社・自宅・出張先」のどこからでもアクセスできるような選択肢を増やしていくことが、重症化予防と継続治療のカギだと考えています。

イーヘルスクリニックを受診する前に知っておいてほしいこと

誰にでも合う万能のクリニックはありません。

時間を大切にしたい方にとっての最適解を磨き続けています。

ーーどんな方と相性が良いですか?

天野院長
 忙しい方、オンラインと対面の使い分けを前提にしたい方、短時間で要点を押さえたい方とは相性が良いと思います。新しい選択肢にも前向きな方は、活用の幅が広がります。また、長時間の対話を前提にされる場合は、別の選択肢をご案内することがあります。もちろん説明は丁寧に行いますが、「待ち時間を最小化」する運用と完全予約制が当院の前提だからです。スマートフォンなど、デバイス操作が難しい場合には他の方法が合うかもしれません。

イーヘルスクリニックのこれから

ーー最後に、今後の目標やクリニックとして目指す姿を教えてください。

天野院長
 私たちが目指すのは、「医療を諦めない仕組み」を社会実装し続けることです。忙しさや場所の制約で「行きたいのに行けない」を生み出さないよう、アクセスをデザインする医療をさらに磨きます。
 もう一つは、健診の“受けっぱなし”をなくす仕組みです。当院で健診を受けた方に対しては、結果に応じたオンラインのフォローアップを整え、重症化予防への実をお示しします。
 そして、中長期では医療アクセスの分散化にも挑戦します。オンラインの窓口を生活圏へ近づけ、「会社・自宅・出張先」いずれの場所からも等しく医療につながれる環境を広げたい。新宿三丁目という都心の拠点から、働く人の当たり前を静かに、確実に変えていきたい。それが、イーヘルスクリニックが目指す姿です。

ーー院長からのメッセージとして、最後にお言葉をいただけますでしょうか。

天野院長
 あなたのパフォーマンスを落とさないために、医療を「使って」ください。 予防でも、ダイエットでも、美容でも構いません。仕事と人生を切り分けない“WORK AS LIFE”の時代に、医療はもっとあなたの近くにあるべきだと考えています。当院はそれを実現するために、これからも様々な取り組みに挑戦していきます。

イーヘルスクリニック新宿院

診療科目内科・腎臓内科・アレルギー科・泌尿器科 等
(自由診療:肥満外来、点滴療法、幹細胞培養上清・エクソソーム等)
住所〒160-0022
東京都新宿区新宿2-6-4 新宿通東洋ビル3F
診療日(月~水)9:00~12:00/13:00~17:00
(木・金)12:00~15:00、16:00~20:00
(土・日・祝)10:00~16:00
※受付は診療終了30分前までです。
院長天野 方一
TEL03-5315-0514
最寄駅東京メトロ・都営新宿線「新宿三丁目駅」徒歩1分
JR「新宿駅」徒歩7分
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この記事を書いた人

診療ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営する医療情報発信メディアです。開業クリニックの先生方に直接取材を行い、診療への姿勢や先進医療への取り組み、地域医療への貢献、さらには医療業界に対する考えや想いをお届けします。読者の皆さまにとって、医療をより深く理解し、身近に感じていただける発信を続けてまいります。

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